長期優良住宅の断熱構造について1
長期優良住宅の断熱性能は、住宅性能表示制度の最高ランクである省エネルギー対策等級4をクリアしなければなりません。断熱工事の施工個所は次のとおりです。・屋根(小屋裏または天井裏が外気に通じているものを除く)またはその直下の天井・外気に接する床で延べ床面積の5%以内の部分は
そのほかの床と同じ断熱性能とする・開口部・外気に接する壁・外気に接する土間床の外周部・外気に接する小屋裏もしくは天井裏に接する天井・外気に接する床
・その他の床(外気に通じる床裏に接する床)・その他の土間床の外周部
これは2009年に改正された
「省エネルギー基準、平11年基準」(次世代省エネルギー基準)に準拠します。次世代省エネルギー基準は2つの告示、「建築主等の判断の基準」と
「設計・施工指針」からなります。建築主等の判断の基準は「性能規定」設計・施工指針は「仕様規定」と呼ばれ、これらのどちらかで省エネルギー等級4を
満たすことを確認しなければなりません。性能規定と仕様規定を比較すると、使用する断熱材を薄くするなら詳細な計算を行う性能規定が向いており、
面倒な計算を行わずに対応するには仕様規定が適しています。
しかし、省エネルギー等級4を満たす断熱設計は、真壁では壁厚内に断熱材が納まらない場合があるなど、実際の納まりや施工を考慮すると困難と思われる
部位が少なくありません。このような部分は一部分の断熱不足を他の部位で補完する方法が認められています。これを一般的にトレードオフと呼んでいます。